
- 著者:Ahmed Shareek
サファイアの色の仕組み|色ごとの発色原因・希少性・価格
- 著者:Ahmed Shareek
当店は産地スリランカで自ら買い付ける供給元です。中間の卸や仲介を通さず、お客様のお手元へ直接お届けしています。
サファイアと聞いて青い石を思い浮かべる方は多いと思います。ただ実際には、コランダムという一つの鉱物が、ブルーからイエロー、ピンク、ティール、パープル、無色まで幅広い色をつくります。赤だけは別にルビーと呼ばれ、それ以外の色がすべてサファイアです。色を分けているのは、結晶のなかにppm単位で含まれるごくわずかな元素です。
このページは、色ごとに何が発色の原因になっているのか、どこで上質とそうでないものが分かれるのか、いくらぐらいの価格帯なのか、そして当店がいまその色をどれだけ持っているのかを、一色ずつ並べたものです。在庫の数値はすべて2026年9月7日時点の当店の実在庫であり、サファイアという石全体の性質を述べたものではありません。掲載ストーンの価格は、記事下のストーンカードと各商品ページに、お客様の地域の通貨で表示されます。価格は変動することがあり、日本の輸入消費税は含まれていません。
値段の組み立て方から先に知りたい方は サファイアの価格の決まり方 をご覧ください。色は価値のおよそ60%を占める要素で、このページの色別の価格帯はそちらの考え方の上に乗っています。
純粋なコランダムは無色です。酸化アルミニウム(Al₂O₃)だけでできた結晶には、光を吸収して色を出す仕組みがありません。そこにごく微量の元素が入り込むと、特定の波長の光が吸収され、残った光が色として目に届きます。この微量元素が発色の原因です。
組み合わせは大きく五つに分かれます。鉄(Fe)とチタン(Ti)がそろうと青。クロム(Cr)単独でピンク、濃くなればルビーの赤。鉄だけならイエローやグリーン。バナジウム(V)はパープルとバイオレット、そして光源で色が変わるカラーチェンジ。クロムと鉄が適切な比率で釣り合うと、ピーチ、オレンジ、パパラチアになります。
青がとくに特徴的なのは、鉄とチタンが単独では働かない点です。二つが結晶の格子のなかで隣り合ったときにだけ、光が当たると電子が一方からもう一方へ移り、その分のエネルギーが黄からオレンジの波長域から差し引かれます。残るのが青です。隣り合わせが必要なので、青は結晶の成長の縞に沿って濃淡が出やすく、加熱にも敏感に反応します。クロムや鉄が単独で吸収する色──ピンク、イエロー、オレンジ、グリーン──は、それに比べて色むらが出にくく、熱への反応も穏やかです。
グリーンについて一点だけ、はっきり書いておきます。コランダムのグリーンは鉄によるもので、バナジウムではありません。バナジウムがグリーンをつくると書いてある資料は、コランダムを別の鉱物と取り違えています。
店頭やネットでは「ブルーサファイア」「カラーチェンジサファイア」と続けて書きますが、鑑別書の宝石名の欄には中黒を入れて「ブルー・サファイア」「カラーチェンジ・サファイア」と印字されるのが通例です。同じ石を指しています。書類とページの表記が食い違って見えたときは、まずここを確かめてください。
価格の目安は、1〜2カラットで、カット良好、肉眼で内包物が目立たない石を想定した1カラットあたりの帯です。処理と在庫数は当店の実在庫の内訳で、その色の石が一般にどう扱われているかを述べたものではありません。
| 色 | 発色の原因となる微量元素 | 価格の目安(1〜2ct・1カラットあたり、米ドル建ての市場相場の目安) | 当店の在庫での処理 | 在庫数 |
|---|---|---|---|---|
| ブルー | 鉄(Fe)とチタン(Ti)が隣り合うこと | $400〜$6,000以上 | 非加熱7/加熱21 | 28 |
| ティール | 鉄。青の吸収と黄緑の吸収が同時に起きる | $600〜$1,500 | 非加熱8/加熱0 | 8 |
| イエロー | 三価の鉄と、結晶の格子の欠陥による吸収 | $300〜$2,500 | 非加熱19/加熱4 | 23 |
| ピンク | クロム(Cr)が少量 | $500〜$4,000 | 非加熱9/加熱7 | 16 |
| ピーチ | クロムと鉄 | $100〜$2,500 | 非加熱4/加熱2 | 6 |
| パパラチア | クロムと鉄が狭い比率で釣り合ったとき | $3,000〜$15,000以上 | 在庫なし | 0 |
| パープル | バナジウム(V)。クロムと鉄も加わる | $400〜$2,000 | 非加熱10/加熱1 | 11 |
| バイオレット | バナジウム。青の成分が強く出たもの | $400〜$2,000 | 非加熱12/加熱1 | 13 |
| オレンジ | クロムと鉄。鉄が優勢 | 帯は公開していません | 加熱3 | 3 |
| グリーン | 鉄のみ。バナジウムではありません | $300〜$1,500 | 非加熱6/加熱1 | 7 |
| ホワイト | 発色させる微量元素がほぼ入っていない状態 | $500〜$800 | 非加熱・無処理10/加熱2 | 12 |
| スター | 発色ではなく、ルチルの針状結晶による光の反射 | 帯は公開していません | 4本とも非加熱として掲載 | 4 |
| カラーチェンジ | バナジウム | 帯は公開していません | 2本とも非加熱として掲載 | 2 |
上記の数値はおおよその市場の目安であり、確定した見積もりではありません。実際の価値は処理・産地・色・カット・透明度・鑑別書の有無によって変わります。
この表の在庫数は足し算できません。スターサファイアの4本は、地色にあたるブルー・ピンク・パープル・バイオレットの各行にも数えられているためです。当店が掲載しているサファイアは全部で131本、うち110本がスリランカ産です。
日本語で色について調べると、SからDまでの記号で色を格付けした表がよく出てきます。あれは買取事業者が自社の買い取り基準としてつくった社内のものさしで、コランダムの色に公的な等級制度があるわけではありません。ダイヤモンドのカラーグレードのようなものを想像して読むと、判断を誤ります。
当店もランクは使いません。代わりに、色相・明度・彩度という三つの見方と、実際に売っている石の価格でご説明します。借りる価値があるのは記号ではなく、記号の中身のほうです。濃すぎて暗い、灰色がかっている、色が薄い、内包物で濁っている──買取の基準表が減点している点は、買う側が見るべき点とほぼ同じです。
発色の原因。鉄とチタンが結晶の格子のなかで隣り合い、光が当たると電子が行き来します。
何が上質を分けるか。灰色や緑の濁りが入らない、中庸の明度の純青であること。テーブル面から見て中心まで色が生きていること。日中の自然光からろうそくのような暖かい光まで、明るさが落ちないこと。ロイヤルブルーやコーンフラワーブルーは市場で使われる呼び名で、鑑別書に印字される等級ではありません。中央宝石研究所(CGL)の用語集は、コーン・フラワーをカシミール産の最上位の石が矢車草の花の色に似ていることに由来する呼び名として説明しています。呼び名として使う分には問題ありませんが、等級として扱っている売り手には理由を聞いてください。
処理の現実。商業的に流通するブルーサファイアのおよそ95%は加熱処理されています。青は熱でもっとも大きく変わる色で、まさに色の元になっている鉄とチタンの配置が動くからです。上質な非加熱ブルーは、1カラットを超えると加熱処理された同等品の2〜5倍、大粒で鮮やかで書類の揃った石では最大8倍まで上がります。
当店の在庫。ブルーは、表のとおり加熱処理された石が中心です。価格がいちばん高いのは5.39ctの非加熱ブルーサファイア(ラウンドカット)です。スリランカ産です。GIAレポート付きで、レポートには「No Indications of Heating」と記載されています。価格がいちばん手頃なのは1.14ctの淡い色のクッションカットで、処理の有無だけを見て石を選ぶ危うさをそのまま示しています。当店の在庫のなかでは、ブルーはむしろ少数派です。
詳しくは ブルーサファイアガイド、加熱が青に何をするのかは サファイアの加熱処理の仕組み、非加熱の意味は 非加熱サファイアとは をご覧ください。在庫は ブルーサファイア から。
発色の原因。鉄が二つの仕事を同時にしています。一部はチタンと組んで青の成分を出し、残りは三価の鉄として黄緑の成分を出します。その重なりが青緑に見えます。
何が上質を分けるか。青と緑がどちらも生きていること。片方に寄りきってしまうとブルーサファイアかグリーンサファイアになります。ティールブルー、ティールグリーンという呼び分けも使われます。
鑑別書の表記について。ティールは市場の呼び名です。鑑別書には青と緑の配分に応じた色名が英語で記載されます。ページに「ティール」と書いてあっても書類の色名は別の語になりますので、書類と照らして違和感を持つ必要はありません。
処理の現実。加熱は青と緑のバランスを壊しやすく、石をどちらか一方に振ってしまいます。そのためティールは非加熱のまま市場に出る割合が高い色です。ただしこれは傾向であって規則ではなく、石ごとに開示を確認する必要があります。当店の8本はいずれも非加熱として掲載しています。
当店の在庫。価格がいちばん手頃なのは1.08ctのティールサファイア(ラウンドカット)です。マダガスカル産です。AGCLのレポート付きです。ティールは当店の在庫のなかで、スリランカ産の比率がいちばん低い色でもあります。マダガスカル産が大半で、産地の記録がない石もあります。
あわせて ティールサファイアガイド、ティールサファイアの価格、産地の話は マダガスカルサファイアガイド と モンタナ州産とセイロンの比較。在庫は ティールサファイア。
発色の原因。三価の鉄が単独で光を吸収し、結晶の格子の乱れによる吸収が加わります。鉄がチタンと組む必要がないため、青なら無色に近くなってしまうような低い鉄の濃度でも、イエローはしっかり色が出ます。
何が上質を分けるか。茶や緑に振れていない、澄んだレモンからゴールドの色。彩度が高くても暗くならないこと。
処理の現実。ジョーティッシュ(インド占星術)で用いるイエローサファイアは非加熱であることが条件で、これは値引きの余地のない要件です。そして根拠は売り手の言葉ではなく鑑別書に置かれます。もう一点、暖色系のサファイアではベリリウム拡散加熱処理が現実の論点で、これは加熱についてだけ述べた鑑別書の一行ではカバーされません。当店はベリリウム拡散加熱処理をした石を扱っていません。
当店の在庫。イエローは、当店が扱う色のなかで価格の幅が最も広い色です。AGCLのレポートが付いた小粒のカリブレーションストーンから、GIAレポートに「No Indications of Heating」と記載されたジョーティッシュ向けの石までが、同じ色のなかに入るためです。価格がいちばん手頃なのは0.36ctのイエローサファイア(クッションカット)です。スリランカ産です。AGCLレポート#M262739付きです。価格がいちばん高いのは3.13ctの非加熱イエローサファイア(ラウンドカット)です。スリランカ産です。GIAレポート付きで、レポートには「No Indications of Heating」と記載されています。
あわせて イエローサファイアガイド、ジョーティッシュ用サファイアの買い方、ベリリウム拡散加熱処理の解説。在庫は イエローサファイア。
発色の原因。ルビーを赤くするのと同じクロムが、より低い濃度で入っています。
何が上質を分けるか。一つは彩度。もう一つは色の偏りです。クロムは成長の縞に沿って入りやすいので、原石の向きを誤ると、明るいピンクの帯のまわりに淡い地が残ります。良いカッターはその帯をテーブル面いっぱいに広げる向きで研磨します。ルビーとの境界は鑑別機関により判断が分かれます。
当店の在庫。ピンクには、3.26ctの非加熱ピンクスターサファイア(オーバルカボションカット)があります。スリランカ産です。GIAレポート付きで、レポートには「No Indications of Heating」と記載されています。在庫が続くうちに挙げておきたい一石は、1.62ctの加熱処理されたピンクサファイア(エメラルドカット)で、わずかに茶を含む暖かいピンクです。マダガスカル産です。GIAレポート付きです。ピンクはスリランカ産が中心で、マダガスカル産とベトナム産の石も含まれます。
あわせて ピンクサファイアガイド、肌のトーン別の色選び。在庫は ピンクサファイア。
発色の原因。クロムと鉄です。クロムがピンクを、鉄がオレンジ寄りの黄を担い、その柔らかい混色がピーチになります。
何が上質を分けるか。色の均一さです。ピーチは淡い色なので、色の偏りがそのまま見えます。片端がピーチで反対側がほぼ無色という石は、どう留めても収まりません。パパラチアの境界に迫る石は暖色系のコランダムのなかでも希少で収集の対象になりますが、その手前に位置する石は、多くの買い手にとって暖色系でいちばん値ごろな選択肢です。
処理の現実。イエローと同じく、暖色系ではベリリウム拡散加熱処理が確認すべき処理です。当店の6本のうち4本は非加熱として掲載しており、6本ともスリランカ産、加熱処理された2本は商品ページにその旨を書いています。
当店の在庫。1.12ctの非加熱ピーチサファイア(オーバルカット)があります。スリランカ産です。GIAレポート付きで、レポートには「No Indications of Heating」と記載されています。
あわせて ピーチサファイアガイド、ピーチとパパラチアの違い。在庫は ピーチサファイア。
発色の原因。ピーチと同じクロムと鉄の組み合わせですが、両方の色相が同時に主張するだけの彩度を保ったまま、狭い比率で釣り合っている状態です。
定義。中央宝石研究所(CGL)は用語集の「パパラチャ・サファイア」の項で、サンスクリット語で蓮の花の色を意味する語であり、明るいオレンジがかったピンクからピンクがかったオレンジのサファイアを指すと説明しています。ピンクとオレンジのどちらもがはっきり、同時に見えていることが要件で、比率がわずかに外れた石はピンクサファイア、ピーチサファイア、オレンジサファイアになります。サファイアのなかで最も希少な色です。
処理の現実。この色は処理の開示がいちばん重要になります。呼称そのものが色の判断であり、ベリリウム拡散加熱処理はその色を人工的につくり出せるからです。日本の鑑別機関は2004年以降、ベリリウム拡散加熱処理が認められた石にはパパラチアサファイアという表記を用いず、拡散処理のサファイアとして記載しています。GIAのパパラチア認定の基準は厳格で、主要な鑑別機関の書類が付いたスリランカ産のパパラチアは、天然の宝石のなかでも希少性と商業的な重要性がとくに高いものです。
当店の在庫。ありません。この記事で唯一、自社の棚と照らし合わせられない色です。在庫がないので、パパラチアの一覧ページへのリンクも置いていません。
あわせて パパラチアサファイアガイド、パパラチアサファイアの価格、ピーチとパパラチアの違い。
発色の原因。バナジウムがコランダムのパープルを特徴づける微量元素で、通常はクロムと鉄も一緒に働いています。
何が上質を分けるか。商業品を落としているのは二つの欠点です。一つは灰色がかること。パープルのコランダムでいちばん多い問題で、石をラベンダーグレーに近い平坦な色にしてしまいます。もう一つは暗すぎること。明度が深すぎると、色よりも消光のほうが目立ちます。屋内の普通の照明で、テーブル面の中心が明るく見えることが目安です。
光でわずかに動きます。上質なスリランカ産のパープルは、光源によって表情が変わります。カラーチェンジサファイアのような明確な色の変化ではなく、白熱灯の下で赤紫寄りに温まる程度の動きで、一日のなかで二つの顔を持ちます。この動きが最大まで振れたものがカラーチェンジサファイアで、原因はどちらも同じバナジウムです。
当店の在庫。パープルはすべてスリランカ産です。価格がいちばん高いのは7.99ctのパープルスターサファイア(ラウンドカボションカット)です。GIAレポート付きで、レポートには「No Indications of Heating」と記載されています。
あわせて パープル・バイオレットサファイアガイド、変化が最大まで出る石については カラーチェンジサファイアとは。在庫は パープルサファイア。
発色の原因。パープルと同じバナジウムですが、鉄とチタンによる青の成分がより強く効いて、色相が青寄りに引かれています。
何が上質を分けるか。バイオレットの原石は1カラット未満で市場に出るものが多いため、カットの良し悪しが不釣り合いなほど効きます。中心が生きている0.6ctのバイオレットは、同じ金額で買える眠たい1.2ctの石より確実に良く見えます。上質な非加熱のスリランカ産バイオレットは、自然光の下では青紫寄りに冷たく、白熱灯の下では紫寄りに温かく見える、はっきりした振れ幅を持ちます。
当店の在庫。バイオレットはすべてスリランカ産です。多くはAGCLのレポート付きです。最大の3.40ctのバイオレットスターサファイア(オーバルカボションカット)はGIAレポート付きで、レポートには「No Indications of Heating」と記載されています。サファイアの色のなかで最も知られていない色で、小さいサイズなら、当店が扱うなかでラボのレポート付きの天然サファイアにいちばん手頃に手が届く色でもあります。
在庫は バイオレットサファイア。
発色の原因。クロムと鉄で、鉄が優勢です。結晶の格子の乱れによる吸収も加わることがあります。
何が上質を分けるか。澄んだ鮮やかな純オレンジに必要な鉄とクロムの比率は、そう頻繁には実現しません。もう一つはサイズです。上質なオレンジの原石は乏しく、2カラットを超えると価格の傾きが急になります。当店の3本(1.63ct、2.19ct、3.09ctのオレンジサファイア(エメラルドカット))でも、大きくなるにつれて1カラットあたりの価格がはっきり上がっています。
価格の帯を公開していない理由。手元の本数が少なく、しかもサイズの上のほうに偏っているため、そこから一般化した帯を出すのは誠実ではないと考えています。
処理の現実。オレンジはいちばん多く処理について質問すべき色です。ベリリウム拡散加熱処理が商業的に現実の問題になる二つの色のうちの一つで、「加熱の痕跡は認められません」とだけ書かれた一行は、この処理については何も述べていません。当店が掲載している3本はいずれも加熱処理されており、3本ともGIAの鑑別書が付いています。これは当店の棚の説明であって、オレンジサファイアという石の一般的な性質についての主張ではありません。オレンジサファイアはパパラチアサファイアとは区別されます。
あわせて オレンジサファイアガイド、ベリリウム拡散加熱処理の解説、GIAサファイア鑑別書の見方。在庫は オレンジサファイア。
発色の原因。鉄です。鉄だけで、バナジウムではありません。多くのグリーンのコランダムでは、色は細かい混色でできています。三価の鉄が黄を出し、鉄とチタンの組が青を出し、この二つが顕微鏡的な成長の縞で交互に並ぶと、目がそれをグリーンとして統合します。
何が上質を分けるか。ボトルグリーンからライムグリーンまで幅がありますが、暗く沈んでいないこと、灰色に寄っていないことが分かれ目です。青みが強いものはティールサファイアとして区別されます。
当店の在庫。グリーンはどれも1.18ctから2.08ctのあいだに収まっているため、価格の幅が狭くなっています。加熱処理された石が1本あり、タンザニア産です。この石はGIAレポート付きです。価格がいちばん手頃なのは1.18ctの非加熱グリーンサファイア(エメラルドカット)です。東アフリカ産です。GIAレポート付きで、レポートには「No Indications of Heating」と記載されています。グリーンはティールに次いでスリランカ産が中心でない色で、マダガスカル産が多く、スリランカ産・タンザニア産・東アフリカ産の石もあります。
あわせて グリーンサファイアガイド、婚約指輪に向く緑の石の比較。在庫は グリーンサファイア。
発色の原因。色を出す微量元素が実質的に入っていない状態です。ほぼ純粋な酸化アルミニウム。
日本語の記事に多い誤解。ホワイトサファイアには資産としての価値がない、という書き方をよく見かけます。輝きの点でダイヤモンドに及ばないのは事実で、そこを取り繕う必要はありません。ただし比べるべき相手はダイヤモンドだけではありません。ホワイトサファイアは天然のコランダムで、モース硬度9、劈開がなく、色付きの兄弟たちとまったく同じ日常使いの強さを持ちます。キュービックジルコニアとモアサナイトは人工石です。ここが分かれ目です。
書類について一つ、正直なところ。当店は現在、GIAの鑑別書が付いたホワイトサファイアを持っていません。当店のホワイトサファイアはAGCLの鑑別書付きか、一部は鑑別書が付いていないもので、どちらであるかは各商品ページに書いています。
当店の在庫。ホワイトはすべてスリランカ産です。価格がいちばん高いのは1.73ctのホワイトサファイア(ラディアントカット)で、AGCLのレポート付きです。
あわせて ホワイトサファイアガイド、サファイア・モアサナイト・ラボグロウンダイヤの比較。在庫は ホワイトサファイア。
発色の原因。バナジウムです。バナジウムは光の吸収の仕方が特殊で、可視光の異なる二つの領域を同時に通します。そのため、どちらの色に見えるかが、当たっている光にどの波長が多いかで決まります。太陽光や蛍光灯の下ではブルーやブルーバイオレット、ティール寄りに、白熱灯の下ではパープルや赤紫、プラム色に見えます。
言葉について。日本語ではこの現象を変色効果とも書きますが、店頭と検索で通じるのはカラーチェンジ効果のほうです。当店もカラーチェンジで統一します。石が傷んで色が濁ったという意味に取られないためでもあります。カラーチェンジは石の固有の性質で、劣化ではありません。
多色性とは別のものです。多色性は見る向きを変えると色が変わる性質で、カラーチェンジは光源を変えると色が変わる性質です。軸が違います。バイオレットやパープルのサファイアが見せるわずかな動きは、同じバナジウムの働きが弱く出たもので、色が別の色名に渡りきらない場合は色の変化ではなく色の揺れとして扱われます。
当店の在庫。2本あります。2.01ctの非加熱カラーチェンジサファイア(クッションカット)は、太陽光の下で彩度の高い緑がかった青、白熱灯の下でパープルに変化します。GIAレポート#1236949156付きで、レポートには「No Indications of Heating」と記載されています。産地はマダガスカルと当店が判断したものです。この石について、GIAへ産地の検査は依頼していません。もう1本は1.03ctのカラーチェンジサファイア(エメラルドカット)です。スリランカ産です。AGCLレポート#M263506付きです。
くわしくは カラーチェンジサファイアとは。在庫は カラーチェンジサファイア。
効果の原因。これだけは発色の話ではありません。コランダムが冷えていく過程で、二酸化チタンであるルチルが結晶の外に出て針状に育ちます。針は結晶の対称性に従って三方向、60度ずつずれて並び、カボションに研磨するとその反射が6条の星として立ち上がります。地色は石が持っている微量元素次第なので、スターサファイアはコランダムに存在するすべての色で出ます。
何を見るか。スターの鮮明さ、中心のずれ、地色、そして透明感です。天然のスターサファイアは手に入らないと思われがちですが、当店は現在4本を掲載しています。
加熱との関係。加熱処理は星をつくっているルチルのシルクインクルージョンを溶かします。ブルーサファイアに施すような加熱をスターサファイアに行えば、効果そのものが失われます。
価格の帯を公開していない理由。星の出来が価値を支配し、色の帯では捉えきれないためです。
当店の在庫。4本あります。8.09ctのブルー、7.99ctのパープル、3.40ctのバイオレット、3.26ctのピンクで、4本ともスリランカ産です。4本ともGIAレポート付きで、どのレポートにも「No Indications of Heating」と記載されています。いちばん大きいのは8.09ctのブルースターサファイア(オーバルカボションカット)です。
あわせて スターサファイアガイド、天然のスターサファイアの見分け方。在庫は スターサファイア。
ブルー以外のサファイアをまとめてファンシーカラーサファイアと呼びます。ファンシーサファイアという短い形も使われます。ここで一つ注意があります。日本語で「ファンシーカラー」とだけ言うと、ふつうはファンシーカラーダイヤモンドを指します。サファイアの話であることが分かるように、必ず「ファンシーカラーサファイア」と最後まで書いてください。
この呼び方は色の格付けではありません。ブルー以外という、それだけの区分です。実際、当店が掲載している131本のうちブルーは28本ですから、ファンシーカラーサファイアのほうが数では多数派です。
このページのすべての色は同じ鉱物です。コランダム、酸化アルミニウム、モース硬度9。この硬度より上にあるのはダイヤモンドとモアサナイトだけで、日常的に身につけるには十分な硬さです。特別な扱いも、特別な留め方も要りません。パープルだから弱い、ホワイトだから脆いということはありません。
産地についても書いておきます。スリランカは、世界のサファイア産地のなかでも色の幅がとくに広い場所です。ブルー、イエロー、ピンク、ピーチ、パパラチア、ティール、グリーン、オレンジ、パープル、バイオレット、ホワイト、そしてスターサファイアが、いずれも宝石品質で産出します。この記事が十一色を横並びにできるのは、当店がスリランカで直接買い付けているからです。掲載中の131本のうち110本がスリランカ産で、残りはマダガスカル産が中心、タンザニア産・ベトナム産・東アフリカ産が1本ずつ、産地の記録がないものが2本あります。
上記の数値はおおよその市場の目安であり、確定した見積もりではありません。実際の価値は処理・産地・色・カット・透明度・鑑別書の有無によって変わります。
色の判断は結局のところ鑑別機関の判断でもありますから、どこの書類なのかを書いておきます。当店の石に付く国際的な鑑別書はすべてGIA(米国宝石学会)のものです。Gübelin、SSEF、Lotusの鑑別書が付いた石は現在ありません。AGCL Gem Lab、FGL、コロンボ宝石学院(GIC)はスリランカの現地の鑑別機関で、当店が直接取引しており、色と処理についての判断は当店が責任を持ちます。書類が付いていない石については、商品ページにその旨を書いています。
色ごとの1カラットあたりの帯を見て「では2カラットなら二倍か」と考えたくなりますが、そうはなりません。理由は サファイアの価格の決まり方 で扱っています。全体の選び方は サファイアの選び方完全ガイド、産地としてのスリランカは セイロンサファイア完全ガイド をご覧ください。
コランダムは赤以外のすべての色でサファイアと呼ばれるため、色の数を厳密に数えることはできません。実務上は、ブルー、ティール、イエロー、ピンク、ピーチ、パパラチア、パープル、バイオレット、オレンジ、グリーン、ホワイト、そして光源で色が変わるカラーチェンジと、星が出るスターサファイアを別枠で扱うのが一般的です。当店は2026年9月7日時点で、ブルー、ティール、イエロー、ピンク、ピーチ、パープル、バイオレット、オレンジ、グリーン、ホワイト、スター、カラーチェンジのサファイアを掲載しており、パパラチアの在庫はありません。
1カラットあたりで見ると、パパラチアサファイアです。1〜2カラットでカット良好な石の目安が$3,000〜$15,000以上(米ドル建ての市場価格の目安)で、当店が公開しているどの色の帯より上にあります。次が上質なブルーで$400〜$6,000以上、市場の厚みは他のどの色より大きく、ブルーの最上位にあたるカシミール産は他のどのサファイアよりはるかに高い水準で取引されます。ただし色は価値の一要素にすぎず、同じ色でも処理・カット・透明度・書類の有無で大きく開きます。
ブルー以外のサファイアをまとめて指す呼び方です。イエロー、ピンク、ピーチ、パープル、バイオレット、オレンジ、グリーン、ティール、ホワイトなどがすべて含まれます。格付けではなく区分の名前です。なお日本語で「ファンシーカラー」とだけ書くとファンシーカラーダイヤモンドの意味になりますので、サファイアの話では最後まで書いてください。
鉄とチタンが結晶の格子のなかで隣り合っているためです。光が当たると電子が一方の原子からもう一方へ移り、その移動に使われたエネルギーが黄からオレンジの波長域から差し引かれます。目に届くのは残りの光で、それが青として見えます。二つの元素が隣り合う必要があるため、青は成長の縞に沿って濃淡が出やすく、加熱にも他の色より大きく反応します。
青と緑が同時に見えるサファイアです。鉄が二つの働きを兼ねていて、一部はチタンと組んで青を、残りは三価の鉄として黄緑を出し、その重なりが青緑になります。加熱するとこのバランスが崩れやすいため、非加熱のまま市場に出る割合が高い色です。ティールは市場の呼び名で、鑑別書には青と緑の配分に応じた色名が英語で記載されます。当店は8本を掲載しており、いずれも非加熱です。
変化がはっきり出るものがカラーチェンジサファイアで、太陽光や蛍光灯の下ではブルーやティール、白熱灯の下ではパープルや赤紫に変わります。原因はバナジウムです。同じバナジウムが弱く働いているのがパープルとバイオレットで、こちらは白熱灯の下で赤紫寄りに温まる程度の動きにとどまり、色名が別の色に渡りきらないため色の変化ではなく色の揺れとして扱われます。見る向きで色が変わる多色性とは別の現象です。
コランダムの色に公的な等級制度はありません。日本語の記事でよく見るSからDまでの表は、買取事業者が自社の買い取り基準としてつくった社内のものさしで、鑑別機関が発行する等級ではありません。鑑別書にも色のグレードは印字されず、色は文章で記述されます。当店はランクを使わず、色相・明度・彩度という三つの見方と、実際に売っている石の価格でご説明しています。
当店が扱っているすべての石は 天然ルースの全商品、サファイアだけを見るなら サファイアの全在庫、非加熱と無処理に絞るなら 非加熱・無処理サファイア一覧 からご覧いただけます。色から探したい方は カラーチャートから色で探す が早いかもしれません。
気になる石があれば crescentgems@gmail.com までご連絡ください。営業日1日以内に、担当者が直接お返事します。
CG8288
ピンクスターサファイア 3.26ct 非加熱 スリランカ産 オーバル ダブルカボション GIA原産地レポート付 ルース
CG8441
パープルスターサファイア 7.99ct 非加熱 スリランカ産 ラウンド ダブルカボション GIA原産地レポート付 ルース
CG8293
バイオレットスターサファイア 3.40ct 非加熱 オーバル ダブルカボション GIA鑑別レポート付 ルース
CG8440
8.09ct ブルースターサファイア 非加熱 スリランカ産|オーバル、ダブルカボション|GIAレポート番号2233980218
CG8463
天然ピンクサファイア 1.62ct マダガスカル産【GIA原産地レポート付】エメラルドカット ルース
CG8262
5.39ct 非加熱ブルーサファイア スリランカ産|ラウンド|GIAレポート番号5231646038
CG8426
CG8374
価格はお客様の地域の通貨で表示され、変動することがあります。日本の輸入消費税は含まれていません。
CG8336
CG8366
2.10 ct Natural Unheated Yellow Sapphire – Oval Cut | GIA Certified
CG8313
2.70 ct Natural Yellow Sapphire, Square Cushion, Unheated, GIA
CG8357
CG8442
天然クリソベリルキャッツアイ 4.25ct 無処理 オーバルカボション GIA鑑別書付
CG8319
CG8419
CG8342
CG8452
天然パープルピンクサファイア 1.13ct 加熱 オーバルミックスカット GIAレポート付 ベトナム産
CG8437
1.29ct 天然非加熱ティールサファイア|クッション|GIAレポート
CG8449
天然グリーンサファイア 1.18ct 非加熱 エメラルドカット 東アフリカ産 GIAレポート付
CG8409
ブルースターサファイアの価格|1カラットあたりの相場と、当店にある8.09ctの1点
ブルースターサファイアは1カラットあたりいくらか。地色・重量・付帯する書類の三つで価格帯を整理し、現象を格付けする機関が存在しないことも説明します。当店の在庫は8.09ctの1点のみです。
ツァボライトの価格|当店の在庫6点と、グロッシュラー・ガーネットとの違い
ツァボライトはいくらか。当店が現在在庫する6点をすべて示し、重さで値段がどう変わるかを説明します。品質等級表を載せない理由と、大きくて内包物の少ない原石が採れにくい本当の理由もあわせて。
カラーチェンジサファイアの価格|1カラットあたりの相場と、当店にある2点
カラーチェンジサファイアは1カラットあたりいくらか。色と彩度と付帯する書類で価格帯を整理し、カラーチェンジそのものを格付けする機関が存在しないことも説明します。当店の在庫は1.03ctと2.01ctの2点です。
クリソベリル・キャッツアイは婚約指輪に向くか|モース硬度8.5と、留め方とお手入れ
クリソベリルはモース硬度8.5。クォーツ(7)やエメラルド(7.5〜8)より上、コランダム(9)とダイヤモンド(10)より下です。日常的に着ける指輪にとってそれが何を意味するかを、留め方とお手入れとあわせて説明します。
クリソベリル・キャッツアイの価格|1カラットあたりの相場と、当店にある2点
クリソベリル・キャッツアイは1カラットあたりいくらか。大きさと付帯する書類で価格帯を整理し、キャッツアイそのものを格付けする機関が存在しないことも説明します。当店の在庫は2.36ctと4.25ctの2点です。