サファイアを買うのが初めての方は、まずサファイア購入完全ガイドをお読みください。色、産地、処理、価格の考え方をまとめています。

ダイヤモンド以外で婚約指輪の石を探している方から、当店がいちばん多くお問い合わせをいただくのがサファイアです。ただし、サファイアを選ぶ作業はダイヤモンドを選ぶ作業とは別のものです。等級の体系が違います。使う言葉が違います。実際に効いてくる品質の要素が違います。そして決めなければならないことが、ダイヤモンドより多くなります。色、産地、加熱処理の有無、シェイプ、重量、セッティング。

このガイドは、その決定を順番に並べたものです。順番が大事なのは、前の決定が後の選択肢を狭めるからです。先にセッティングを決めてしまうと、その枠に入る石の中から選ぶことになります。先に色を決めずにカタログを見ると、いつまでも決まりません。以下の順番は、当店が実際にお客様と話すときに使っている順番です。

はじめに一点だけ、立場を明らかにしておきます。当店はスリランカ(セイロン)のコロンボ、ベルワラ、ラトナプラに拠点を持ち、自ら石を買っているディーラーです。研究所ではありません。この記事で「当店はこう見る」と書いてある箇所は、すべて当店の判断であって、どこかの研究所の等級づけではありません。その区別は毎回つけます。

この順番を外すと何が起きるか

順番の話をもう少し具体的にします。当店がお客様とやりとりをしていて、決め直しが発生する原因はだいたい三つに絞られます。

セッティングを先に決めてしまった場合。既製の枠には、入る石の寸法と形の範囲があります。先に枠を決めると、その範囲に入る石の中から選ぶことになり、色の選択肢がそこで狭まります。色から決めて、その石に合う枠を後から考えるほうが、同じ予算での満足度は高くなります――これは当店が実際に見てきたことで、規則ではありません。

カラット重量を先に決めてしまった場合。「1カラット以上」という形で先に数字を置くと、同じ重量でも正面の見え方がかなり違う石が同列に並びます。あとで書きますが、サファイアは比重が大きいので、重量と見かけの大きさの関係がダイヤモンドとは違います。重量は最後に効いてくる条件として扱ってください。

書類を最後に回した場合。石を決めてから処理の状態やレポートの話を始めると、気に入った石について不利な情報が出てきたときに判断が苦しくなります。加熱処理の有無をどうするかは、色を決めた直後に決めてしまうのが楽です。当店がこの記事でステップ3に置いているのはそのためです。

ステップ1:サファイアが婚約指輪に向く理由を押さえる

サファイアはモース硬度9です。モース硬度は傷のつきにくさ(引っかき硬度)だけを示す数値で、ぶつけたときにどう耐えるかについては何も示しません。婚約指輪に使われるほかの石を見ると、モース硬度がこれより低いものがあります。モルガナイトは7.5〜8、トルマリンは7〜7.5、オパールは5.5〜6.5です。

もうひとつ、コランダムには明確な劈開(へきかい)がありません。劈開とは、鉱物が特定の結晶面に沿って割れやすい性質のことです。コランダムにその性質がないことは、鉱物種としての性質です。個別の一個の石について何かを保証するものではありません。

当店の見方として(研究所の立場ではありません):サファイアは毎日着ける指輪に向いた石です。耐久性だけを理由に、石を覆うようなセッティングを強くおすすめすることはしません。覆うかどうかはデザインの選択として考えてください。

そして色の幅があります。ブルー、ティール(青緑)、イエロー、ピンク、ピーチ、オレンジ、パープル、バイオレット、ホワイト(無色)、ブラック。この色の幅が、サファイアを選ぶ作業がダイヤモンドを選ぶ作業と別物になる大きな理由だと当店は考えています。

ステップ2:色を決める

色を先に決めてください。カタログを色で絞るだけで、見る石の数が現実的になります。

その前に、日本語の売り場で混乱が起きやすい点を整理します。「パープル」はお客様が探すときに使う言葉で、「バイオレット」はレポートの色欄に印字される言葉です。同じ一個の石について、買う側の言葉と書類の言葉が違っているだけで、別の色を指しているのではありません。商品名に「パープル」、レポートに “violet” と書かれていても、食い違いではありません。

ブルーサファイア。定番の選択です。当店が見るもの:灰色がかったり黒く沈んだりせず、すっきりブルーと読めること。そして暗い場所でも色が残る中程度の明度であること。これは買い手としての当店の好みで、どこかの研究所が出した等級ではありません。ブルーサファイア購入ガイドをご覧ください。

ティールサファイア。ここ数年で当店へのお問い合わせが増えている色です。涼しい昼光ではブルーに寄り、暖色の白熱灯の下ではグリーンに寄ります。各商品ページの処理の欄に、その石の加熱処理の状態を記載しています。ティールサファイア購入ガイドをご覧ください。

イエローサファイア。当店の見方:非加熱のセイロンイエローは、それだけで婚約指輪の石として成立します。温かく、多くの方が想像するサファイアとは違う顔をしています。ジョーティシュ(インド占星術)の伝統のなかで木星に対応する石として扱われてきた石でもあります。イエローサファイア購入ガイドをご覧ください。

ピンクサファイア。ブルー以外でいちばん多くお問い合わせをいただく色です。当店の見方:ローズゴールドとの相性が特に良いと考えています。ピンクサファイア購入ガイドをご覧ください。

ピーチサファイア。ピンクとオレンジの間にある、ほんのり赤みを帯びた温かいオレンジの領域です。当店の見方:ピーチをローズゴールドに留めた組み合わせは、当店が仕上げるなかでとくに美しいと思っている取り合わせです――これは当店の好みで、順位づけではありません。ピーチサファイア購入ガイドをご覧ください。

ここで、ピーチと混同されやすい色名について書いておきます。パパラチアは、研究所が定義した別の色名です。そして当店には在庫がありません。LMHC(Laboratory Manual Harmonisation Committee)の情報シート第4号は、この色名を “a subtle mixture of pinkish orange to orangey pink with pastel tones and low to medium saturations”(ピンキッシュオレンジからオレンジィピンクにかけての繊細な混色で、パステル調のトーンと低〜中程度の彩度を伴うもの)と記載しています。レポートの色欄に単一の色相しか印字されていない石は、この色名の外にあります。なお通常の加熱は、この色名から外れる理由にはなりません。この情報シートを採用した研究所には、GIA、Gübelin、SSEF などがあります。当店に在庫がないので、当店はこの色名を商品に使いません。言葉の中身はパパラチアサファイアのガイドに、当店が実際に扱っている石はピーチサファイア購入ガイドにまとめています。

パープルとバイオレット。パープルサファイア購入ガイドをご覧ください。ホワイトサファイア。ホワイトサファイア購入ガイドをご覧ください。

ステップ3:加熱処理の有無を決める

加熱処理は長く行われてきた取引上の慣行で、当店がラフ市場で見る石のかなりの部分に適用されています。色を動かすために使われます。加熱処理されたサファイアは、やはり天然のサファイアです。

加熱が変えるのは、入手のしやすさです。同程度の色で非加熱の石は見つけにくく、価格は高くなります。当店は処理の状態をすべての商品ページに記載し、レポートがある場合はラボ名とレポート番号を記載し、レポートがない場合はないと書きます。個別の石についての現時点の答えは、記事ではなく商品ページです。

非加熱を選ぶ基準:加熱されていないこと自体に意味を感じる場合。ジョーティシュの用途で買う場合。予算にその差額の余裕がある場合。

加熱処理を選ぶ基準:予算の中でできるだけ大きな石が欲しい場合。見た目で選びたい場合。差額をカットの質、サイズ、あるいはセッティングに回したい場合。

どちらが上という話ではありません。何を優先するかという話です。

非加熱かどうかの差額が大きくなる石については、GIA、Gübelin、SSEF、Lotus といった研究所のレポートを依頼し、加熱についてどう記載されているかをお読みください。研究所が出すのは、観察したことについての意見であって、確定ではありません。GIAのレポートについては、レポート番号をご自身で reportcheck.gia.edu で確認できます。

そしてここで、日本語の商品説明でまとめられがちな三つの言葉を分けておきます。「非加熱」は、加熱していないという一点を指します。「無処理」は、一切の処理がないという、より広い主張です。「加熱の痕跡なし」は、レポートの加熱欄に印字される所見の文言で、研究所が観察した結果についての記載です。LMHC情報シート第7号は、現時点では検出できない処理があるという趣旨を記載しています。つまり「加熱の痕跡なし」は、加熱についての所見です。それ以上の範囲を示す記載ではありません。当店が商品ページで使うのは「非加熱」です。非加熱サファイアのガイドと加熱処理のしくみのガイドもご覧ください。

ステップ4:品質の要素を理解する ― サファイアに「4C」はありません

日本語でサファイアを調べると、サファイアにも4Cがあるという説明に行き当たることがあります。これは正しくありません。4Cはダイヤモンドの用語です。カラー、クラリティ、カット、カラット重量に等級を定めたこの体系は、ダイヤモンドのために作られたもので、色石には適用されていません。そして色石の品質を等級づける研究所はありません。GIA自身がこう述べています。“GIA doesn't grade or provide quality analysis for sapphire or other colored stones.”(GIAはサファイアその他の色石について等級づけや品質分析を行っていません。)

以下の四つは、等級ではなく、当店が実務で見ている要素です。

色(当店の経験では、サファイアの価格をほかのどの条件より動かします)。業者が話すときの三つの軸は色相・彩度・明度です。色相とは、濁った要素が混ざらずに色がどれだけすっきり読めるかということです。当店が見るもの:存在感が出るだけの濃さがあり、かつふつうの室内光でも色が読める明るさであること。買う前に必ず自然光の下で見てください。自然光で見てご自身が良いと思えたなら、それが意味のあるテストです。GIAの色石レポートには色の品質の等級が載っていないので、その判断は当店とお客様のものであって、研究所のものではありません。

カット(見落とされやすい要素)。よくカットされたサファイアは、正面から見た面の全体にむらなく光を返します。ウィンドウ――中央部に光がそのまま抜けて見える部分――が出ていません。当店の見方:ウィンドウのある大きく安い石は、仕上がった指輪の上では、小さくてもきちんとカットされた石より劣って見えます。これは当店の判断です。色石のカットを等級づける研究所はないからです。ファセットの配置は光を返すためのものです。石がもともと持っている色を濃くしたり、集めたり、深めたりするものではありません。カットがサファイアに与える影響のガイドをご覧ください。

透明度(当店が適用している基準)。腕を伸ばした距離で、拡大せずに見てインクルージョンが見えないこと。GIAの色石レポートには透明度の等級がまったく載っていないので、この肉眼基準は当店自身の運用基準であって、研究所の基準ではありません。シルク――サファイアによく見られる微細なルチルの針状インクルージョン――を当店は欠点として扱いません。サファイアのインクルージョンの読み方をご覧ください。

カラット重量。サファイアはダイヤモンドより比重が大きいので、同じカラット重量でも正面から見た直径はわずかに小さくなります。カラット重量ではなく、正面から見た見え方で選んでください。この一点を知っているだけで、同じ予算での満足度が変わります。

ステップ5:シェイプを選ぶ

オーバル。当店へのご依頼がいちばん多いシェイプです。重量に対して正面の面積が大きく取れ、指を長く見せます。オーバルサファイアのガイドと一粒石の指輪に向くシェイプをご覧ください。

クッション。サファイアについては当店がいちばん好きなシェイプです。丸みのある角と幅の広いファセットが、広い面に光を返します。これは当店の好みで、どこかの研究所が測定した結果ではありません。ヴィンテージ調のヘイローやスリーストーンのセッティングに特によく合うと当店は考えています。クッションカットサファイアのガイドとヘイローリングに向くシェイプをご覧ください。

ラウンド。光の戻りが強く、ほとんどのセッティングがこのシェイプを前提に作られています。既製の枠に合わせやすいという実務上の利点があります。

エメラルドカット。階段状のファセットが、表面の細かい輝きではなく内部の奥行きを見せます。装飾を抑えた現代的なデザインを求めるお問い合わせとともに、当店でも扱いが増えています。エメラルドカットサファイアのガイドと背の低い指輪に向くカットをご覧ください。

ペアシェイプ、マーキス、ファンシーシェイプ。同じ重量のラウンドやクッションより、指を長く見せます。縦長のシェイプのガイドをご覧ください。

スリーストーンの指輪のシェイプについては、スリーストーンリングに向くシェイプをご覧ください。

ステップ6:地金を選ぶ

ここから書くことは、これらの石を実際に留めているディーラーとしての、当店の推奨です。当店の好みと、留めてきた経験から出てきたものです。等級の基準ではありませんし、宝石学の研究所が出している指針でもありません。そもそもサファイアの地金選びについて指針を公表している研究所はありません。ここでお示しできる外部の立場が存在しないので、あるふりはしません。お客様の好みが違っていても、それで構いません。

ホワイトゴールドとプラチナ。ブルー、ティール、バイオレットのサファイアに対して、当店はこれがいちばんすっきりした背景になると考えています。セイロン産のブルーについて、当店のお客様がもっとも多く選ぶ組み合わせでもあります。

ローズゴールド。ピンク、ピーチ、パープリッシュピンクのサファイアに当店がまずおすすめするものです。ティールやバイオレットにも合うと考えています。

イエローゴールド。温かみとヴィンテージらしい雰囲気が出ます。イエローサファイア、パープル、そして温かい調子のブルーにいちばん合うと当店は見ています。

考え方の全体は、イエローゴールド・ホワイトゴールド・プラチナの比較ガイドとサファイアの指輪の地金の色の選び方にまとめています。

ステップ7:リングデザインとセッティングを決める

石と地金が決まったら、セッティングのデザインが、石の見え方と、日常の着用でどれだけ守られるかを決めます。以下のガイドは当店ならどう考えるかを書いたものです。ここも当店の見方で、研究所の見方ではありません。サファイアのセッティングについて指針を公表している研究所はありません。引用できる外部の立場が存在しないので、あるふりはしません。

ステップ8:産地が示すこと、示さないこと

産地は来歴の事実であって、品質の軸ではありません。そして当店は産地を互いに順位づけしません。スリランカ――業界ではセイロン――は当店が買っている場所で、コロンボ、ベルワラ、ラトナプラの自社の拠点を通じて買付けを行っています。当店が扱う石の多くはここから来ますが、すべてではありません。各商品ページに、その石について記録されている産地を記載しています。

日本語の市場では「セイロン」という言葉が品質の高さを示す言葉としても使われてきました。当店はその使い方をしません。セイロンは石に名前を与えますが、石に等級を与えません。

研究所のレポートに産地の欄がある場合、その欄の記載は研究所の専門家としての意見で、観察結果と分析データに基づくものです。確定ではありません。GIAはこう書いています。“Any statement on geographic origin is an expert opinion based on a collection of observations and analytical data.”(地理的な産地についての記述は、一連の観察結果と分析データに基づく専門家の意見です。)当店が産地について言えることの根拠は、研究所ではなく当店自身の仕入れの記録です。

セイロンサファイア完全ガイドをご覧ください。ほかの産地のガイドは、ビルマ(モゴック)、マダガスカル、タンザニア、モザンビークです。

ステップ9:売り手に出してもらう書類を決める(鑑別書・鑑定書・ソーティング)

日本で石の書類を頼むとき、三つのまったく違うものが「証明書」という一語でまとめられてしまうことがあります。何を頼むのかを決める前に、三つを分けてください。

鑑別書。石が何であるかを記載する書類です。石種、天然か合成か、検出された処理について記載します。品質の等級は入りません。そしてもう一点、通常の鑑別書は産地についての意見を載せない書類です。産地が書かれていないのは、その石の産地が不明だからではなく、その書類がもともと産地を扱わないからです。GIAが発行する色石のレポートも、日本の書類分類で言えば鑑別書にあたるもの(鑑定書ではありません)です。ただしGIAの産地レポートには産地についての意見が記載されるので、その点では通常の鑑別書と範囲が違います。何を知りたいのかによって、頼む書類が変わるということです。

鑑定書。日本語の「鑑定書」は、ダイヤモンドのグレーディングレポートを指す言葉として定着しています。色石に鑑定書というものはありません。サファイアについて「鑑定書付き」という表示を見かけたら、言葉の使い方が正しくないか、ダイヤモンド用の言葉を流用しているかのどちらかです。売り手にどちらなのかを聞いてください。それだけで、相手がどの程度言葉を管理しているかがわかります。

ソーティング。仕分けのために付けられる小さなメモです。署名がなく、発行者名も入らないことが多く、石種と重量程度しか書かれていないこともあります。ソーティングはレポートではありません。業者間で石を流通させる過程の作業メモです。「ソーティング付き」は「レポート付き」と同じ意味ではありません。

当店は、国内の特定のラボを名指しして推奨することはしません。日本国内のラボの体制はここ数年で再編が進んでおり、特定の一社を勧める書き方は長く正しいままでいられないからです。当店が実務で依頼するのは、GIA、Gübelin、SSEF、Lotus といった研究所です。

売り手に聞く三つの質問。(1)この石の加熱処理の状態は何と記載されていますか。(2)レポートはありますか。あればラボ名とレポート番号を教えてください。(3)その書類は鑑別書ですか、ソーティングですか。この三つに即答できない売り手からは、当店なら買いません。GIAのサファイアレポートの読み方もご覧ください。

ステップ10:「根拠」を確かめる ― 景表法第7条第2項の考え方

日本には景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)があり、その第7条第2項に不実証広告規制が置かれています。これは買う側にとって、売り手の品質表示を検算するための道具になります。

仕組みはこうです。商品の品質や内容について、実際よりも著しく優れていると示す表示――優良誤認表示――の疑いがあるとき、行政は期間を定めて、その表示の裏づけとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。期間内に資料が出てこなければ、その表示は優良誤認表示とみなされます。

そして「合理的な根拠」は、二つの条件をどちらも満たさなければなりません。ひとつは、資料の内容が客観的に実証されていること。もうひとつは、実証された内容が、表示した内容ときちんと対応していることです。資料があるだけでは足りない、というのがこの規制の要点です。

この二番目の条件を使うと、色石の広告でよく見る言い方が検算できます。「GIAレポート付きだから高品質」という文は、この形の根拠を持っていません。GIAの色石レポートは客観的に実証された内容を含んでいます(一番目の条件は満たします)。しかしレポートが実証しているのは石の同定と処理の所見であって、品質の優劣ではありません。GIAは色石の等級づけをしていないのだから、レポートは「高品質」という表示に対応していない――二番目の条件が欠けています。

買う側として使える問いは、ひとつだけです。「その表示を裏づける資料は、まさにその表示に対応していますか。」「最高級の色」と書いてある石について、根拠として示されたのが処理を記載した鑑別書なら、対応していません。「非加熱」と書いてある石について、根拠として示されたのが加熱欄のあるレポートなら、対応しています。問いの形は同じで、答えが変わります。

当店がこの記事の全体で「当店はこう見る」と書き分けている理由がこれです。等級づけをしていない機関の名前を、等級の裏づけとして使わない。品質についての評価は当店の判断だと書く。これは当店の方針というより、根拠の形をそろえるという作業です。

なお、景表法が禁じている誤認表示にはもうひとつの系統があります。価格やその他の取引条件について、実際よりも著しく有利であると示す有利誤認表示です。だから当店は価格について、割合も倍率も、比較の相手も書きません。書けるのは仕組みの話だけです。

ステップ11:予算を現実的に組む

当店はこの記事に価格帯の表を載せません。理由は二つあります。ひとつは在庫が入れ替わるので、記事に書いた数字が読まれる時点では古くなっていること。もうひとつは、サファイアの価格が色・サイズ・処理の状態・レポートの有無・カットの組み合わせで決まり、その組み合わせが石ごとに違うので、ひとつの帯に押し込めるとかえって見当が狂うことです。

代わりに書けることを書きます。当店はルースのサファイアを幅の広い価格帯で扱っています。ですから「この予算では無理」という形の制約より、「この予算なら何を優先するか」という形の判断になることが多いです。予算が決まっている場合、優先順位の付け方は当店の見方では次のとおりです。色とカットを、大きさより先に取る。肉眼で見えないインクルージョンがある石を避けない。非加熱にこだわらない場合は、同じ予算で一段大きい石か、より正確なカットの石に届きます。

削る順番についても当店の見方を書いておきます。予算が足りないときに最初に削るのは、当店ならカラット重量です。次に非加熱かどうか。カットと色は最後まで残します。理由は、重量と処理の状態は書類と数字の上の違いですが、カットと色は手元で毎日見える違いだからです。これは当店の優先順位で、どこかの研究所が定めた順位ではありません。ご自身の優先順位が違う場合は、そちらが正しいです。たとえばジョーティシュの用途で買う場合、非加熱は削れない条件になります。

いま実際に何があるかは、ルースストーンのカタログの価格の絞り込みでご確認ください。ご希望の価格の範囲を入れれば、表示されるのはその時点で在庫がある石です。記事に書ける一般論より、カタログの絞り込みのほうが正確です。

書類についての当店の運用は、価格帯にかかわらず同じです。処理の状態はすべての商品ページに記載します。レポートがある場合はラボ名とレポート番号を記載します。レポートがない場合は、ないと書きます。これは価格の大小にかかわらず同じです。個別の石についての現時点の答えは、記事ではなく商品ページです。1カラット前後、2カラット前後の石について当店が価格を見るときの考え方は、1カラットのサファイアの価格の考え方と2カラットのサファイアの価格の考え方にまとめています。

ステップ12:買ったあとの手入れを決めておく

手入れの方針は買う前に決めておいたほうが楽です。ここは立場を三つに分けて書きます。混ぜると、当店の好みが外部の指針のように読めてしまうからです。

外部の立場はこうです。GIAは、超音波洗浄機とスチーム洗浄について、一定の条件のもとでは通常は安全だという立場を公表しています。ここではその条件を並べません。条件の一覧を抜き出して並べ替えると、GIAが書いていない形の主張になってしまうからです。条件の中身をお知りになりたい場合は、GIAの公表物そのものをお読みください。

当店の運用はこうです。それとは別に、当店はご自宅での手入れを、ぬるま湯と中性洗剤、やわらかいブラシだけに限ることをおすすめしています。当店は超音波洗浄機をご自宅で使うことをおすすめしません。石ではなくセッティングの側――爪のゆるみや、接着を使った部分――が心配だからです。指輪は単独で、やわらかい布か仕切りのあるケースに入れて保管してください。コランダムはモース硬度9で、同じケースの中のほかの石に傷をつけることがあります。

この二つは別のものです。前段のGIAの立場と、ここで書いた当店の運用は別のものです。当店の運用はGIAの立場より厳しく、これは当店自身の好みです。規則でも、研究所の指針でもありません。迷ったときは、こちらに寄せていただくのが当店のおすすめです。手入れについてさらに詳しくは、サファイアの婚約指輪の手入れをご覧ください。

そしてもうひとつ。色について当店は将来を約束しません。コランダムのモース硬度が加熱処理の有無で変わらないことは書けます。それは鉱物種の性質です。それ以上のことは、当店が言える範囲の外にあります。

日本へのお届けと、輸入時にかかる税について

日本へのお届けは、ご注文額 US$499.00 までは送料 US$60、US$499.01 以上は送料無料です。返品は到着後14日以内に承ります。

輸入時の税は、送料とは別の話なので分けて書きます。ルースの天然石は関税率表の第71.03項に分類され、この項はいずれの税率欄でも無税です。消費税は10%です。ただし「一律10%かかる」という説明は、実際より多く見せています。課税価格が1万円以下の輸入品は、関税も消費税も免除されます。そして個人用途の輸入では、課税価格は海外の小売価格の60%として計算されます。つまり海外小売価格でおよそ1万6,000円台までは、免税の範囲に収まる計算になります。それを超える場合は消費税がかかり、第71.03項である限り関税はかかりません。

なおこの1万円以下の免税措置については、2028年4月1日に廃止する方向で見直しが進められていますが、これは法案の段階であり、国会の議決を経て確定したものではありません。当店は確定した制度としては書きません。

当店での買い方

ルースストーンのカタログをご覧ください。カタログに入っているサファイアの多くはスリランカ産ですが、すべてではありません。そしてカタログにはサファイア以外の石も含まれています。各商品ページで石種と産地をご確認ください。

手に取ってから決めたい場合は、トライオンプログラムをご利用ください。ご購入を決める前に、ご自身の生活の光の下で石を見ていただけます。ご希望の条件が決まっている場合は、crescentgems@gmail.com までお送りください。当店が候補をお出しします。

当店の価格は、値引きをしているから下がっているのではなく、事業の組み立て方から出てきています。ショールームを持たない。ラトナプラ、ベルワラ、コロンボで当店自身が買う。ラフを当店の仕様でカットする。地面からお客様までの段が短い。ただしこれは飾らずに書きます。スリランカのラフ市場そのものが仲介を前提に動いています。その市場の内側では、当店もほかの買い手と同じようにブローカーやディーラーから買っています。段が短いことは、段がゼロであることではありません。

ブルー以外をお探しの場合は、婚約指輪向けファンシーサファイアもご覧ください。指輪のセッティングを前提に選んだ、定番から外れた色とカットの石を集めています。

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Crescent Gemsが選ばれる理由


婚約指輪や大切なジュエリーのための宝石選びは、とても個人的な決断です。一生のうちに数えるほどしかない特別なお買い物だからこそ、信頼できること、正確な情報、そして専門的なアドバイスが大切になります。Crescent Gemsは、25年以上にわたる宝石の経験に、産地からの直接仕入れ、丁寧なカット、処理についての透明な情報開示を組み合わせ、安心してお選びいただけるようお手伝いします。

天然の採掘石のみを取り扱っています

主要産地からの直接仕入れ

合成石、フラックス含浸処理石、ベリリウム拡散処理石は扱いません

自社工房でのカット・リカット

日本への配送対応|FedEx・UPSによる追跡可能な国際配送

実物写真、手に取った動画、360度ビュー

14日間の返品受付

表示価格に日本の輸入消費税は含まれていません

主要な宝石にはGIAレポート付き

ご希望の石の個別動画をお送りします

世界中で増え続けている、ご満足いただいたお客様の輪にぜひご参加ください。

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