
- 著者:Ahmed Shareek
サファイアのオーダーメイドリング完全ガイド|石から決める手順・地金・留め方・費用と期間
- 著者:Ahmed Shareek
サファイアのオーダーメイドリングは、枠から決めるものではなく、石から決めるものです。あらかじめ用意された枠のなかから選ぶやり方では、その枠はたいていダイヤモンドの標準的な寸法を前提に設計されています。サファイアはダイヤモンドより比重が大きく、同じカラット数でも石は一回り小さくなりますし、ダイヤモンドではあまり見かけない輪郭や厚みのものも普通にあります。既成の枠に石を合わせようとすれば、石のほうを妥協するか、石に合っていない枠を受け入れるか、どちらかになります。
石を先に決めて、その石の実寸に合わせて枠をつくる。順番をこう変えるだけで、その妥協はなくなります。石の代金と枠の制作費が別々の数字として見えるようになるのも、この順番の利点です。ひとつの価格にまとめられていると、どこまでが石で、どこからが地金と手間なのかが分かりません。
このページでは、サファイアのオーダーメイドリングをつくるときに決めることを、決める順番に沿ってまとめます。石の選び方、制作の手順、地金の色と品位、石を守る留め方、サイドストーン、そして期間と費用の目安までです。留め方とお手入れについては、どこまでが公表された見解で、どこからが当店の考えなのかを、そのつど書き分けます。この二つは、根拠のない権威づけがいちばん起きやすいところだからです。
石そのものの選び方——色・産地・加熱の有無・書類——はサファイア購入完全ガイドにまとめています。このページは、その先の「指輪にする」段階の話です。
既成の枠は、ある重量のラウンドブリリアントのダイヤモンドが収まることを前提に寸法が決まっています。サファイアは比重が大きいぶん、同じ重量でも直径が小さくなります。一方で、ダイヤモンドではまず作られない厚みや、深いパビリオンを持つ石もあります。重量が同じであることは、寸法が同じであることを意味しません。枠を先に決めるというのは、まだ見ていない石にこの寸法の問題がないことを願う、ということです。
石を先に決めれば、石は石の良し悪しだけで選べます。色、カット、加熱の有無、書類の有無。そのうえで枠を、その石の実測値に合わせて起こします。ルースで買うことと、枠付きで買うことの違いについては、別のガイドで詳しく扱っています。
もうひとつ、オーダーメイドでなければ届かないところがあります。サファイアの色の幅——ブルー、ティール、ピンク、イエロー、パパラチア、バイオレット、グリーン——は、それ自体が選択肢の広さです。その一石の性格に合わせて指輪全体を組み立てられるのは、石から始めたときだけです。既成の枠にサファイアが入っている、という状態とは別のものになります。
最初に決めるのは石です。ここが動くと、後ろの決定がすべてやり直しになります。見るのは四つです。
書類の呼び方には日本固有の区別があります。日本で鑑定書というとダイヤモンドの4Cグレーディングのことです。色石に付くのは鑑別書で、石種・処理の有無・産地などを記載します。海外ではGIA、国内では中央宝石研究所(CGL)の鑑別書が広く信頼されています。ソーティング(ソ付)は鑑別書ではありません。簡易的な結果を記した紙片であり、正式な書類の代わりにはなりません。
オーダーメイドでは、この書類が石とは別に手元に残ります。枠に留めてしまうと、後から同じ内容の書類を取り直すのは簡単ではありません。石の段階で揃えておくのが確実です。
誰がつくる場合でも、手順はおおむね同じ並びになります。そして順番には意味があります。それぞれの工程が、ひとつ前の工程で決まったことを前提にしているからです。石が決まる前に留め方を決める、といった先回りが、手戻りと遅れのいちばん多い原因です。
工程ごとの所要日数と費用の内訳はオーダーメイドリングのご依頼の進め方とルースから設計する場合の手順にまとめています。
地金は背景ではありません。石の色の見え方そのものを動かします。鮮やかなティールはイエローゴールドとプラチナでは別の色に見えますし、ロイヤルブルーはローズゴールドとホワイトゴールドでは別の石のように見えます。
ブルーとバイオレットは、ホワイトゴールドかプラチナでいちばん鮮やかに出ることが多い。ピンクとパパラチアは、ローズゴールドかイエローゴールドと自然になじむことが多い。ティールはこの三つのどれとも組める、幅の広い色です。いずれも「多い」という話で、決まりではありません。色の濃い石ほど地金の影響は小さく、淡い石ほど大きく出ます。色ごとの詳しい対応はサファイアリングの地金の色の選び方にまとめています。
日本ではパーソナルカラー——いわゆるイエローベース、ブルーベース——で地金を選ばれる方が多くいらっしゃいます。おおまかには、黄みを感じる肌にはイエローゴールドとローズゴールドが、青みを感じる肌にはホワイトゴールドとプラチナがなじみやすい、という整理です。これは出発点としては役に立ちますが、最後は実物です。石と地金の見本を一緒に手の甲に置いて、屋外光と室内光の両方でご覧いただくのが、どの分類よりも確かです。
日本では地金の品位を K18、K14、Pt900 のように表します。金は数字が大きいほど金の含有率が高く、色は濃くなりますが、そのぶん柔らかくなります。細い枠や、爪を細く仕上げる設計では、この差が日常の変形のしやすさに出ます。プラチナは重く、白さが変わらない代わりに、同じ形でも金より費用がかかります。
ご依頼になる工房には、品位の刻印がどう入るかを先に聞いておいてください。国内で仕上げる場合と海外で仕上げる場合とで、刻印の表記は変わります。プラチナと K14・K18 の、耐久性と手入れと費用の比較はイエローゴールド・ホワイトゴールド・プラチナの比較で扱っています。
サファイアはモース硬度9で、劈開もありません。ただし硬度は靭性とは別のものです。硬度は傷のつきにくさの尺度で、欠けにくさの尺度ではありません。そして欠けにくさは、石のどの部分かによって変わります。輪郭が一点に向かって細くなっていくところや、薄く立ち上がった縁は、平らなファセットの面とは当たり方が違います。隅を落とした輪郭の石は、その軸では先の尖った石より露出が少ない——留め方は、この違いを前提に決めます。
先の尖った石に対して当店がお願いしているのは、三つです。爪の位置を輪郭の弱いところに合わせること、先端があるならそこを包むV字の爪(Vチップ)にすること、そして縁ごと囲ってしまいたい場合はベゼルにすること。これは当店がこれらの石を扱ってきたなかでの、当店自身のお勧めです。留め方について指針を公表している鑑別機関はありませんので、どこかの見解をお伝えしているわけではありません。
どれだけ守れるかは、かたちによって差があります。当店はベゼルをいちばん上に置いています。縁を完全に囲ってしまうからです。爪留めでも、V字の爪が正しい位置に入っていれば、先の尖った石に対してはこれに近いところまで来ます。そして高さを抑えた作りは、どこかに引っかける機会そのものを減らします。これも当店の順位付けであって、どこかのレポートに記されたものではありません。当店の作業台で積み上げてきたものです。
先の尖った輪郭を避けるべきだ、という話ではありません。その石の形に合わせて枠を設計すれば、日常づかいで十分に実用的です。かたちごとの爪の配置については石の縁と先端を守る留め方の選び方に詳しくまとめています。
GIA はサファイアのお手入れについての見解を公表しています。「サファイアの洗浄には、ぬるい石けん水が常に安全です。超音波洗浄機とスチーム洗浄機も、無処理の石、加熱処理された石、拡散処理された石については、たいていは安全です」。
当店が留めたわけではない指輪について、当店はこれより慎重です。石がどう保持されているかを当店は見られないからです。GIA が当店と同じ考えであるかのように読めてしまうのは避けたいので、はっきり書いておきます。当店はぬるい石けん水と柔らかいブラシで洗い、年に一度は宝飾店で枠と爪を見てもらうことをお勧めしています。これは当店の方針であって、どこかのレポートに記された注意ではありません。
汚れの大半は石の裏側と枠の内側に溜まります。洗うべきはそこです。塩素系の洗剤は、石は耐えても地金の合金成分を傷めますので避けてください。ほかの硬い石と当たらないよう、単独で保管してください。
サイドストーンは、見た目と費用の両方を動かします。ダイヤモンドのメレはいちばん多い選択で、どのサファイアに対しても強い色の対比をつくります。中心の石の色がもっとも鮮やかに読めるのは、この組み合わせです。サファイアのメレは、中心と同じ色でも補色でも、全体をひと続きの色面としてまとめます。スリーストーンやハローをサファイアだけで組む設計では、こちらが選ばれます。
素材と同じくらい、形が効きます。中心の石の輪郭を受ける形——オーバルから段を落としていくトラペゾイド、エメラルドカットに沿わせるテーパーバゲット——は、中心と無関係に選ばれたメレより、考えて組まれたように見えます。大きさの釣り合いも同様です。大きすぎるサイドストーンは中心の石と視線を奪い合い、小さすぎるサイドストーンは後から足したように見えます。形・素材・比率の決め方はサイドストーンの選び方にまとめています。
ソリテール以外に、サファイアのオーダーメイドで繰り返し選ばれるかたちがいくつかあります。それぞれに個別のガイドがあります。
設計が確定してからの所要期間と、枠の制作費のおおよその幅です。いずれも目安で、確定した見積もりではありません。実際の金額と日数は、意匠の細かさ、地金、石の寸法、そして工房の立て込み具合によって変わります。
| 枠のかたち | 設計確定後の制作期間 | 枠の制作費(石の代金は別・米ドル建ての目安) |
|---|---|---|
| K14 ゴールドのシンプルなソリテール | 2〜4週間 | $600〜$1,200 |
| ダイヤモンドのメレを添えたハロー | 3〜5週間 | $1,200〜$2,500 |
| ダイヤモンドのサイドストーンを使うスリーストーン | 3〜5週間 | $1,500〜$3,500 |
| プラチナ、またはアンティーク調の作り込んだ意匠 | 4〜8週間 | $2,500〜 |
この表は設計が確定してからの期間です。手前に、ご相談とCADの承認で1〜2週間を見込んでください。お渡しの期日が決まっている場合は、少なくとも6〜8週間前から始めていただくと、途中の手直しに余裕が持てます。意匠ごとの費用の内訳はオーダーメイドリングのご依頼の進め方にまとめています。
当店の石の価格は、各商品ページにお客様の地域の通貨で表示されます。価格は変動することがあり、日本の輸入消費税は含まれていません。天然の宝石(関税番号71.03)に関税はかかりませんが、輸入消費税(課税価格の10%)が課される場合があり、その際はお届け時に配送業者へお支払いいただきます。個人使用の輸入で課税価格が1万円以下(商品代金でおよそ16,666円以下)の場合は免税です。上の表の金額は枠の制作費のみで、石の代金は含みません。完成した指輪としてお受け取りになる場合、輸入時の扱いはルースの石と同じとは限りませんので、ご相談の段階でお問い合わせください。
サイズ。日本の号数でご指定いただけます。号数と海外のサイズは別の体系ですので、どちらで決めるかをご相談の最初に揃えておくと行き違いがありません。季節と時間帯で指の太さは変わりますので、採寸は一度ではなく、何日かに分けてお取りになることをお勧めします。
サイズ直し。できる幅は枠の作りで決まります。メレを全周に並べた枠や、ベゼルで石を囲んだ枠は、後から調整できる範囲が限られます。将来のサイズ直しを想定される場合は、設計に入る前にお申しつけください。これも当店の実務上のお勧めであって、どこかの基準に書かれていることではありません。
配送と返品。日本へは、FedExまたはUPSの追跡可能な国際便でお届けします。ご注文額が499米ドル相当(約8万円)を超える場合、日本への送料は無料です(それ以下は一律60米ドル相当)。表示価格に日本の輸入消費税は含まれていません。商品到着から14日以内にご連絡いただければ、返品を承ります。日本からの返送料はお客様のご負担となり、事前に概算をご案内します。
はい。石を先に決めれば、その石そのものを見て選べますし、枠は実際の寸法・色・輪郭に合わせて設計できます。既成の枠を先に決めてしまうと、まだ選んでいない石がたまたまその枠に合うことを期待するほかありません。石の代金と枠の制作費が別々の数字として見えるのも、この順番の利点です。
はい。当店はサファイアをお売りするだけでなく、ジュエリー部門で設計と石留めまでお引き受けしています。ルースの状態から完成した指輪まで、窓口をひとつにしたままお進めいただけます。ご相談は crescentgems@gmail.com までお送りください。
デザインの複雑さによっておおむね2〜8週間です。これに、ご相談とCADの承認に1〜2週間を加えてお考えください。お渡しの期日が決まっている場合は、少なくとも6〜8週間前から始めていただくと、途中の手直しに余裕が持てます。
石の色と、着ける方ご自身の肌の色によります。ひとつの正解はありません。ブルーやバイオレットはホワイトゴールドやプラチナで最も鮮やかに見えることが多く、ピンクやパパラチアはローズゴールドやイエローゴールドとよくなじみます。最後は実物を手元に置いて、複数の照明の下でご覧になるのが確実です。
石の輪郭に合った留め方を選んでください。先が尖った石なら先端を包むV字の爪、いちばん守りたいならベゼル、動きの多い生活なら高さを抑えた作りです。そのうえで、年に一度は宝飾店で全体を見てもらってください。これらは当店のお勧めであって、どこかのレポートに記された注意ではありません。留め方について指針を公表している鑑別機関はありません。
はい。日本の号数でご指定いただけます。号数と海外のサイズは別の体系ですので、ご相談の段階でどちらで決めるかを先に揃えておくと行き違いがありません。サイズ直しの可否と幅は、枠の作りと石の留め方によって変わります。メレを全周に並べた枠や、ベゼルで石を囲んだ枠は、調整できる範囲が限られます。将来のサイズ直しを想定される場合は、設計に入る前にお申しつけください。
表示価格に日本の輸入消費税は含まれていません。天然の宝石(関税番号71.03)に関税はかかりませんが、輸入消費税(課税価格の10%)が課される場合があり、その際はお届け時に配送業者へお支払いいただきます。個人使用の輸入で課税価格が1万円以下(商品代金でおよそ16,666円以下)の場合は免税です。なお期間と費用の表の金額は枠の制作費のみで、石の代金は含みません。完成した指輪としてお受け取りになる場合、輸入時の扱いはルースの石と同じとは限りませんので、ご相談の段階でお問い合わせください。
以下の個別ガイドは、現在のところ英語のみのご用意です。日本語でのご質問は、いつでもメールでお受けしています。
石からお決めになる場合は、当店の在庫一覧をご覧ください。気になる石がありましたら、crescentgems@gmail.com までお知らせください。石選びから、枠を起こして仕上げるところまで、ひと続きでお手伝いします。
CG8336
CG8366
2.10 ct Natural Unheated Yellow Sapphire – Oval Cut | GIA Certified
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2.70 ct Natural Yellow Sapphire, Square Cushion, Unheated, GIA
CG8357
CG8442
天然クリソベリルキャッツアイ 4.25ct 無処理 オーバルカボション GIA鑑別書付
CG8319
CG8419
CG8342
CG8452
天然パープルピンクサファイア 1.13ct 加熱 オーバルミックスカット GIAレポート付 ベトナム産
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1.29ct 天然非加熱ティールサファイア|クッション|GIAレポート
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天然グリーンサファイア 1.18ct 非加熱 エメラルドカット 東アフリカ産 GIAレポート付
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ブルースターサファイアの価格|1カラットあたりの相場と、当店にある8.09ctの1点
ブルースターサファイアは1カラットあたりいくらか。地色・重量・付帯する書類の三つで価格帯を整理し、現象を格付けする機関が存在しないことも説明します。当店の在庫は8.09ctの1点のみです。
ツァボライトの価格|当店の在庫6点と、グロッシュラー・ガーネットとの違い
ツァボライトはいくらか。当店が現在在庫する6点をすべて示し、重さで値段がどう変わるかを説明します。品質等級表を載せない理由と、大きくて内包物の少ない原石が採れにくい本当の理由もあわせて。
カラーチェンジサファイアの価格|1カラットあたりの相場と、当店にある2点
カラーチェンジサファイアは1カラットあたりいくらか。色と彩度と付帯する書類で価格帯を整理し、カラーチェンジそのものを格付けする機関が存在しないことも説明します。当店の在庫は1.03ctと2.01ctの2点です。
クリソベリル・キャッツアイは婚約指輪に向くか|モース硬度8.5と、留め方とお手入れ
クリソベリルはモース硬度8.5。クォーツ(7)やエメラルド(7.5〜8)より上、コランダム(9)とダイヤモンド(10)より下です。日常的に着ける指輪にとってそれが何を意味するかを、留め方とお手入れとあわせて説明します。
クリソベリル・キャッツアイの価格|1カラットあたりの相場と、当店にある2点
クリソベリル・キャッツアイは1カラットあたりいくらか。大きさと付帯する書類で価格帯を整理し、キャッツアイそのものを格付けする機関が存在しないことも説明します。当店の在庫は2.36ctと4.25ctの2点です。